アシュタンガヨガ
アシュタンガヨガとは、
元々は「サーンキヤ学派」の基本理論として誕生。
その後、聖者「パタンジャリ」により「ヨーガ・スートラ」としてまとめられ、
解脱法の実践として始められたのがアシュタンガヨガの始まりです。
「8階梯のヨガ」との別名の通り、8段階に定義づけられており、
「8支則」としてヨガの基本理論とされています。
この「ヨガ8支則」の数字の8を、サンスクリット語で「アシュト」という事から、
「アシュタンガヨガ」と呼ばれるようになりました。
現在行われているアシュタンガヨガのスタイルは、
インドのマイソールである「パタビジョイス師」が、
現代社会に合わせ分かりやすくアレンジしたもの。
ハリウッドで活躍するセレブやアスリート達をはじめ、
世界中の人々に支持されています。90年代に登場し、
現在人気を集める「パワー・ヨガ」の前身となった
ヨガのスタイルとしても知られています。
中級者以降で、ある程度の運動量でも耐えられる場合には、
アシュタンガ・ヨガはお勧めですが、 初心者や中高年齢者、
個々のポーズを自分のペースでじっくり取り組みたい人などは
避けたほうが良いでしょう。
アシュタンガヨガのポイント
【1:ポーズ】
アシュタンガヨガは、同じポーズを決められた順番で、
途切れる事無く短時間で繰り返していくのが特徴です。
様々なポーズを流れるように速いテンポで、
連続的につなげていくスタイルのヨガなので、
その運動量から肉体的にはかなり消耗するヨガでもあります。
【2:呼吸】
その「ポーズと連動させて行う呼吸法」も、アシュタンガヨガの特徴。
呼吸を意識しながら、その波長に合わせるようにして
身体を動かしていきます。口を閉じて息を鼻から吸い込み、
また鼻から出す胸式呼吸(ウジャイの呼吸法)が原則です。
意識的に喉に息を通させ音を出すことで、呼吸をトレーニングしていきます。
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【3:視線】
アシュタンガヨガのポイントは「視線の固定」。
視点の定め方も、ポーズに合わせて決められています。
ポイントは「視線を一点に合わせ固定させる事」。
おどおどした時の目線を「目が泳ぐ」という様に、
落ち着きのないキョロキョロとした目線は、不安定な心の表れ。
定まらない視線は意識を乱して、集中力を低下させてしまいますので、
「意識の無駄遣い」を避けるために、視線を一点に集中させます。
難しいと感じる時は、まず自分の鼻先を見ることを意識してみましょう。
または自分が目線を合わせやすいポイントを見つけて行うのもよいでしょう。
視線を合わせる事で集中力を高め、意識を内側に向かわせます。
【4:腹筋の使い方】
呼吸時の腹筋の使い方にも重点をおきます。ポーズを取る最中は、
意識的に下腹部を背骨に向かって引きつけるようにします。
同時に、恥骨から尾骨間の括約筋も引き締めておきます。
この呼吸法は、体内エネルギーのコントロールに効果があるとされています。
アシュタンガヨガのメリット
以上のことからも、アシュタンガヨガには様々なメリットがあります。
1.エクササイズ効果
多い運動量から高い消費エネルギーや発汗など、
エクササイズ効果が期待できます。
2.集中力のアップ
視線を集中させる事で意識を内面に向かわせ、
集中力アップを目指します。
八支則
1.禁戒(ヤマ) 日常生活の中で行わない方が良いこと
2.勧戒(ニヤマ) 日常生活の中で行った方が良いこと
3.坐法(アーサナ) 理想的な姿勢をとること
4.調気(プラーナーヤマ) 理想的な呼吸を行うこと
5.制感(プラティヤハーラ) 感覚をコントロールすること
6.集中(ダラーナ) 集中を行う努力をすること
7.瞑想(ディヤーナ) 集中が自然に深まっている状態
8.三昧(サマーディ) 集中の対象と調和している状態
八支則はサンスクリット語ではアシュタンガ(八本の枝)と呼ばれ、後述するアシュタンガヨーガのベース理論にもなっています。