ハタヨガ
ヨガの起源・歴史
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私たちのライフスタイルに欠かせないヨガ |
*ヨガの起源は4000~5000年前のインド、インダス文明で生まれました。そして、受け継いだ世代がまた次世代へと伝えて発展していったのです。それを繰り返すうち、ヨガの経典といわれる「ヨガ・スートラ」が完成。
現在私たちが接しているのは、体を動かすことで心や魂のバランスをコントロールするという考え方のもとに発展した「ハタヨガ」と呼ばれるヨガ。体を動かすこと以外に、瞑想・心理のコントロールを目的とする「ラージャヨガ」、奉仕の精神を養う献身的な「カルマヨガ」など多数あります。
インドではこれらのヨガを総合的に行いますが、現在私たちが接しているヨガは主にハタヨガということになります。
いま日本で受けられるヨーガを理解する上で欠かせないのがハタヨーガです。ハタのハは太陽=陽を、タは月=陰(逆という説もある)を意味し、そこから転じて陰と陽が織り成す現実世界、身体、パワーを意味します。ですからこのハターヨーガは、身体を重視したヨーガ、パワーの源泉である陰と陽の気の流れを重視するヨーガ、そしてテクニックを駆使して力づくでヨーガが目指す境地に至ろうとするヨーガなのです。
ハタヨーガでは、心や身体を動かす原動力であるプラーナ=気を重視し、身体や呼吸を使ってプラーナの流れを制御し、このことで心をコントロールしようとします。また、ラージャヨーガが上の八支則をベースにするのに対して、ハターヨーガでは、その代表的な教本である「ハタヨーガ・プラディーピカー」で、次の 4ステップで実践するものと教えています。
1.
体位法(アーサナ)
2.
調気(プラーナーヤマ)
3.
印相(ムドラー)
4.
三昧(サマーディ)
ここに出てくるムドラーとは、荒い言い方をすると背骨の中を通るプラーナの流れを目覚めさせるテクニックのことで、次にくる三昧は、そのプラーナの流れを完全なものにすることを意味しています。そういった意味では、いまの日本では、このようなプラーナの流れに重点をおいた、本来のハタヨーガを受講できるところは極めて少ないといえます。
ただ、ラージャヨーガのような動きのない状態で、ひたすら瞑想して心を統制するよりも、はるかに心の調整がうまく行え、ヨーガが目指す状態に近づきやすくなるため、その身体調整テクニックは、多くのスタイルのヨーガの中に取り入れられています。そういった意味では、ハタヨーガは本来のスタイルではないにしても、現代では最も親しまれているヨーガスタイルだといえます。
八支則
1.禁戒(ヤマ) 日常生活の中で行わない方が良いこと
2.勧戒(ニヤマ) 日常生活の中で行った方が良いこと
3.坐法(アーサナ) 理想的な姿勢をとること
4.調気(プラーナーヤマ) 理想的な呼吸を行うこと
5.制感(プラティヤハーラ) 感覚をコントロールすること
6.集中(ダラーナ) 集中を行う努力をすること
7.瞑想(ディヤーナ) 集中が自然に深まっている状態
8.三昧(サマーディ) 集中の対象と調和している状態
八支則はサンスクリット語ではアシュタンガ(八本の枝)と呼ばれ、後述するアシュタンガヨーガのベース理論にもなっています。